デイサービスで自宅以外の迎え・送りはできる?ルールと注意点を解説

デイサービスの送迎は原則「利用者の自宅」とされています。
しかし実際には、「今日は娘の家から迎えに来てほしい」「デイサービスの帰りに病院に送ってほしい」といった要望が出ることがあります。
果たしてデイサービスでは、自宅以外からの迎えや送りは可能なのでしょうか。
本記事では、介護保険制度におけるルールや、実際の運用方法、注意点について詳しく解説します。
デイサービスの送迎は原則「自宅と事業所の往復」
介護保険制度上、デイサービスの送迎は「利用者の居宅と事業所の往復」と定められています。つまり 原則は自宅⇔デイサービス のみが対象です。
これは、介護保険サービスが「在宅生活を支援する」ことを目的としているためであり、病院や親族宅、買い物先などへの送迎は基本的に対象外とされています。
自宅以外への迎え・送りが認められるケース
1. やむを得ない事情がある場合
- 医療機関への通院(リハビリや診察など)
- 入退院時の送迎
- 家族の事情で一時的に別宅からの利用
このような場合は、事前にケアマネジャーや事業所と相談することで、柔軟に対応してもらえるケースがあります。
2. 事業所が「自費対応」で実施する場合
一部のデイサービスでは、介護保険外の 自費サービス として自宅以外への送迎を行っているところもあります。
例えば「帰りに家族の職場へ送ってほしい」「買い物の途中で降ろしてほしい」といった要望も、自費であれば可能になる場合があります。
3. 行政が認める特例
地域や自治体によっては「利用者の生活を維持するために必要」と判断されれば、自宅以外への送迎を認める場合があります。ただしケースバイケースのため、必ず事前確認が必要です。
自宅以外の送迎を希望する際の注意点
ケアマネジャーに相談する
送迎経路や対応範囲は ケアプランに位置付けられる必要がある ため、まずは担当ケアマネに相談しましょう。
送迎範囲に制限がある
デイサービスごとに「送迎可能エリア」が設定されています。自宅以外からの送迎が範囲外になると、対応が難しい場合もあります。
他利用者への影響
送迎ルートの変更は他利用者の送迎時間に影響します。そのため「毎回ではなく特定の日だけ」といった限定的な対応が現実的です。
自費サービスの費用を確認
自宅以外への送迎が介護保険外となる場合は、数百円〜数千円程度の追加料金がかかることがあります。
実際によくある相談例
- 例1:娘の家に泊まった翌日、そこから迎えに来てもらいたい
→ 事前にケアマネと相談し、事業所が対応可能か確認。 - 例2:デイサービスの帰りに病院へ寄って診察を受けたい
→ 医療機関との連携が必要。場合によっては自費対応になる。 - 例3:帰宅前にスーパーに寄りたい
→ 原則不可。自費サービスや家族送迎で対応。
デイサービス側のリスクと対応
事業所が制度外の送迎を安易に行うと「不正請求」とみなされる可能性があります。
そのため多くのデイサービスでは「原則自宅のみ」と説明しつつ、例外的に医療機関や家族宅への送迎に限って対応することが多いです。
また、送迎中の事故リスクもあるため、自宅以外での乗降場所を設定する際は必ず安全確認が必要です。
まとめ
デイサービスの送迎は原則として 自宅と事業所の往復 に限られています。
ただし、医療機関や親族宅など「やむを得ない事情」がある場合や、自費サービスを利用する場合には、自宅以外からの迎えや送りが可能になることもあります。
利用者や家族が自宅以外での送迎を希望する場合は、まずケアマネジャーに相談し、事業所や自治体のルールを確認することが大切です。
柔軟に対応してもらえるケースもあるため、遠慮せず相談してみましょう。