デイサービスの稼働率を上げるには?集客・サービス改善・地域連携の具体策を解説

デイサービスを安定的に運営していくためには、一定以上の稼働率を維持することが欠かせません。
利用者数が少ないと収益が下がり、人員体制やサービスの質にも影響します。逆に稼働率が高い事業所は、安定した経営だけでなく、地域からの信頼も厚くなります。
本記事では「デイサービスの稼働率を上げるにはどうしたら良いか?」という疑問に答えるため、具体的な取り組みや成功のポイントを詳しく解説します。
デイサービスの稼働率とは?
稼働率とは「定員に対して実際に利用している人数の割合」を指します。
- 定員20名のデイサービスで、平均15名利用 → 稼働率75%
- 定員20名で、平均18名利用 → 稼働率90%
一般的に 80%以上を維持 できていると安定経営につながるとされています。
稼働率が低下する主な原因
1. 競合施設の増加
近年は小規模デイサービスやリハビリ特化型デイが増え、利用者の選択肢が広がっています。
2. サービスの魅力不足
プログラムが単調だったり、職員の対応に差があると利用者や家族の満足度が下がります。
3. 地域連携不足
ケアマネジャーや病院との関係づくりが弱いと、新規利用者を紹介してもらえません。
4. 利用者の体調変化・入院
高齢者の体調悪化による利用中止は避けられない要因ですが、代替利用者を確保できないと稼働率が落ちます。
デイサービスの稼働率を上げる具体的な方法
1. ケアマネジャーとの関係づくり
ケアマネは利用者を紹介する大きな窓口です。
- 定期的に事業所の取り組みを報告
- ケアマネ向けの見学会や勉強会を開催
- 連絡へのレスポンスを早くする
信頼関係ができると「このデイサービスなら安心」と思ってもらいやすくなります。
2. サービスの質を高める
- 多彩なレクリエーション(体操・手芸・カラオケ・季節行事)
- 個別リハビリの導入(作業療法士や理学療法士による支援)
- 認知症ケアや口腔機能訓練など専門性の高いプログラム
利用者が「楽しい」「また来たい」と思える内容が稼働率アップにつながります。
3. 利用者・家族へのきめ細かな対応
- 利用開始時に丁寧なオリエンテーション
- 体調不良時の素早い対応
- 家族への電話や連絡ノートで安心感を提供
「安心して任せられる」という信頼は口コミ紹介にもつながります。
4. 地域とのつながりを強化
- 地域包括支援センターや病院と連携し、退院後の受け皿になる
- 地域イベントや健康教室を主催して認知度を高める
- 地域のボランティアや学生を受け入れて活性化
地域で「顔の見える事業所」になることで、新規利用につながります。
5. 広報・集客を工夫する
- ホームページやSNSで活動内容を発信
- 利用者や家族の声を掲載して信頼感を醸成
- 地域情報誌やチラシでのPRも有効
デイサービスの雰囲気や特色を外部に伝えることが大切です。
稼働率向上の成功事例
事例①:リハビリ特化型への強み発信
作業療法士を中心に「生活リハビリプログラム」を導入した事業所では、地域の病院やケアマネからの紹介が増加し、稼働率が80%→95%に向上。
事例②:送迎エリアの拡大
送迎範囲を広げ、利用しやすいと評判に。地域包括からの紹介件数が増え、空き枠が埋まった。
事例③:家族サポート強化
介護負担の軽減をアピールし、在宅介護を続けたい家族に選ばれる事業所へ。結果的に長期利用者が増え、稼働率が安定。
稼働率を上げるために避けたい落とし穴
- 新規利用者ばかりに注力し、既存利用者の満足度が下がる
- 職員の負担が増え、サービスの質が低下する
- 広告費をかけすぎて経営を圧迫する
「新規獲得」と「既存利用者の定着」 の両立が大切です。
まとめ
デイサービスの稼働率を上げるには、ケアマネジャーや地域との信頼関係づくり、サービスの質向上、利用者と家族への丁寧な対応、そして広報・集客の工夫が欠かせません。
稼働率が高まることで経営の安定だけでなく、職員のやりがいも増し、地域に根付いた事業所として発展していけます。
「利用者に選ばれるデイサービス」を目指すことこそ、稼働率向上への一番の近道といえるでしょう。