デイサービスにおける言語聴覚士(ST)の役割とは?利用者・家族が知っておきたいポイント
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デイサービス(通所介護)では、食事や入浴、レクリエーションに加えて「機能訓練」が提供されます。
機能訓練には理学療法士(PT)や作業療法士(OT)が関わるイメージがありますが、言語聴覚士(ST) が配置されるデイサービスもあります。
では、言語聴覚士はデイサービスでどのような役割を担い、どんな支援をしてくれるのでしょうか。
この記事では、デイサービスにおける言語聴覚士の仕事内容やメリット、注意点をわかりやすく解説します。
目次
言語聴覚士(ST)とは?
言語聴覚士は国家資格を持つリハビリ専門職で、主に次のような分野をサポートします。
- ことばの訓練:失語症や構音障害に対する言語リハビリ
- 飲み込み(嚥下)訓練:誤嚥予防や安全な食事方法の指導
- コミュニケーション支援:発話や理解が難しい人への代替手段の提案
高齢者介護では、特に 嚥下機能の評価と改善 が重要な役割となっています。
デイサービスにおける言語聴覚士の役割
1. 嚥下機能の評価と訓練
- 利用者の嚥下状態を観察し、むせやすさ・飲み込みにくさをチェック
- 舌や口の運動訓練、誤嚥を防ぐ食事姿勢の指導
- 安全に食べられるよう、きざみ食やとろみの調整を助言
2. 言語訓練
- 脳梗塞後の失語症や発声障害に対して、発話練習や理解力の強化
- コミュニケーション能力を高め、他者交流を促す
3. 家族・介護職への助言
- 自宅での食事介助方法の指導
- 飲み込みに不安がある利用者への介助の注意点を職員にアドバイス
- 誤嚥性肺炎を防ぐ生活習慣づくりを提案
言語聴覚士がいるデイサービスのメリット
- 誤嚥予防 により肺炎リスクを下げられる
- 食事の楽しみが増え、栄養状態の改善につながる
- 利用者同士の会話や発表活動がスムーズになり、社会参加が促進される
- 家族が安心して介護を続けられる
デイサービスに必ずSTは配置されているの?
一般的なデイサービス
- 理学療法士(PT)や作業療法士(OT)は比較的多いが、言語聴覚士(ST)はまだ少数派。
リハビリ特化型デイサービス
- STが配置されているケースが増えている。
- 特に「嚥下・発話リハビリ」を強みにしている事業所では積極的に採用している。
配置基準
- 法令上、デイサービスにSTの配置は義務付けられていない。
- ただし「機能訓練指導員」としてSTが勤務することは認められている。
利用前に確認すべきポイント
- デイサービスにSTが常勤・非常勤で在籍しているか
- 嚥下や言語のリハビリにどの程度対応できるのか
- 医師や訪問リハビリとの連携体制があるか
まとめ
- 言語聴覚士(ST)は、ことば・嚥下・コミュニケーション の専門職。
- デイサービスでは、嚥下訓練や言語リハ、介助方法の指導を通じて利用者の生活を支えている。
- STの配置は義務ではないため、利用を検討する際には 在籍状況や対応範囲を事前に確認 することが重要。
デイサービスを選ぶとき、「言語聴覚士がいるかどうか」は大切なチェックポイントの一つです。嚥下や発話に不安がある方は、STが関わるデイサービスを検討してみると安心です。