介護の現場で防げる事故と防げない事故について紹介

介護の現場では、高齢者や要介護者を支える中で、さまざまな事故が発生する可能性があります。
事故には、適切な対策を講じることで未然に防ぐことができるものと、どれだけ注意していても完全には防ぐことが難しいものがあります。
介護の質を高め、安全な環境を整えるためには、どのような事故が防げるのか、また防げない事故にどう対応するのかを理解することが重要です。
本記事では、「防げる事故」と「防げない事故」を具体的に紹介し、それぞれの特徴と対応策を解説します。
介護の現場で防げる事故
1. 転倒・転落事故
介護施設や在宅介護では、高齢者が転倒・転落するリスクが高く、適切な環境整備と支援を行うことで防ぐことが可能です。
防止策
- 居室や廊下に手すりを設置する
- 床に滑りやすいマットやカーペットを敷かない
- 歩行補助具(杖や歩行器)の使用を促す
- 夜間の移動時には明るさを確保する
- スタッフが見守りを強化し、適切な声かけを行う
2. 誤嚥・窒息事故
食事中に誤嚥を起こしたり、食べ物が喉に詰まる事故は、高齢者にとって大きなリスクですが、適切な食事形態と支援により防ぐことができます。
防止策
- 利用者の嚥下機能に合わせた食事(刻み食・ミキサー食)を提供する
- 食事中は職員が見守り、ゆっくり食べるよう促す
- 食事前の口腔体操を行い、嚥下機能を向上させる
- 水分をとる際にはとろみをつけるなどの工夫をする
3. 褥瘡(床ずれ)の発生
寝たきりの利用者や、長時間同じ姿勢で過ごす方は褥瘡ができやすくなりますが、適切なケアで防ぐことが可能です。
防止策
- 定期的な体位変換を行う(2時間ごとが目安)
- 圧力分散マットレスやクッションを活用する
- 肌の清潔を保ち、保湿ケアを行う
- 栄養管理を徹底し、皮膚の健康を維持する
4. 感染症の拡大
インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は、適切な感染対策を実施することで防ぐことができます。
防止策
- 手洗い・消毒の徹底をする
- 施設内の換気を十分に行う
- 発熱や体調不良のある利用者や職員は早めに隔離・受診させる
- マスクの着用を徹底し、感染経路を遮断する
介護の現場で防げない事故
1. 突発的な転倒・転落
歩行能力が不安定な高齢者は、どれだけ環境を整えても、突然の転倒・転落を完全に防ぐことは難しいです。
可能な対応策
- 事故発生後の迅速な対応を確立する(応急処置・医療機関への連携)
- 転倒後の状況を記録し、再発防止策を検討する
- リハビリや運動を通じて、転倒リスクを低減する
2. 突然の健康悪化(急変)
高齢者は持病を抱えていることが多く、急な体調変化(心筋梗塞、脳卒中、急性呼吸不全など)を完全に防ぐことはできません。
可能な対応策
- バイタルサイン(血圧・脈拍・体温)の定期的な測定を行う
- 異変を感じたらすぐに医師や家族へ連絡できる体制を整える
- 職員が救急対応を学び、適切な処置を行えるようにする
3. 認知症による問題行動
認知症の利用者は、突然の興奮や暴言・暴力、徘徊などの行動を起こすことがあり、完全に防ぐことは困難です。
可能な対応策
- 利用者の状態を理解し、落ち着ける環境を提供する
- 職員の認知症ケア研修を実施し、適切な対応を学ぶ
- 利用者の行動パターンを記録し、リスクの高い時間帯を把握する
4. 利用者の意志による事故(自傷行為・無理な動作)
一部の利用者は、自身の意志で危険な行動を取ることがあり、それを完全に防ぐのは難しい場合があります。
可能な対応策
- 危険行動をとりそうな利用者には特に注意を払う
- 環境を調整し、事故のリスクを減らす(鋭利なものを置かないなど)
- 家族や医師と相談し、適切なケアプランを立てる
まとめ
介護の現場では、防げる事故と防げない事故の両方が存在します。転倒・転落、誤嚥、褥瘡、感染症の拡大などは、適切な対策を講じることで未然に防ぐことが可能です。一方で、突発的な転倒、急な健康悪化、認知症による問題行動、利用者の意志による事故などは、完全に防ぐことが難しいものもあります。
重要なのは、防げる事故には徹底した予防策を講じ、防げない事故に対しては、迅速な対応とリスク管理を徹底することです。介護の現場で安全を守るために、本記事の内容をぜひ参考にしてください。