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通所介護(デイサービス)は儲かるのか?収益構造と成功のポイントを解説

介護保険サービスのひとつである「通所介護(デイサービス)」は、高齢者の在宅生活を支える重要な役割を果たしています。同時に、開業や運営を検討する経営者にとって「通所介護は儲かるのか?」という疑問は非常に気になるポイントです。
結論から言えば、通所介護は安定的な収益を得られる可能性がある一方で、単純に「儲かる」ビジネスではなく、制度や地域ニーズを理解した戦略が欠かせない事業です。この記事では、通所介護の収益構造、儲かるための条件、注意すべきリスクについて詳しく解説します。
通所介護の収益構造とは?
通所介護の収益は主に「介護報酬」から成り立っています。
- 基本報酬(通所介護費)
利用者1人あたり、要介護度や利用時間に応じて設定されています。 - 加算
入浴介助加算、個別機能訓練加算、サービス提供体制強化加算など、算定できる加算が多数あります。これらを適切に算定できるかが収益の差につながります。 - 利用者負担(1割~3割)
利用者が支払う自己負担分もありますが、事業所にとっての売上は介護保険給付+利用者負担の合計です。
つまり、利用者数 × 単位数(基本報酬+加算) が収益の柱になります。
通所介護は本当に儲かるのか?
メリット(儲かりやすい要素)
- 安定した需要:高齢化に伴い利用者数は増加傾向
- 定員制による収益予測のしやすさ:定員と稼働率を管理することで収益を見込みやすい
- 加算による収益アップが可能:人員配置や機能訓練など条件を満たせば報酬単価を引き上げられる
デメリット(儲かりにくい要素)
- 人件費率が高い:介護職員・看護師・送迎ドライバーなど人件費が固定的にかかる
- 稼働率に左右される:利用者が減れば即座に収益悪化につながる
- 報酬改定リスク:介護報酬改定により基本単価や加算要件が変動する
つまり、通所介護は需要は安定しているが、利益率は決して高くない事業です。
儲かる通所介護にするためのポイント
1. 稼働率の確保
収益を左右する最大の要因は稼働率です。
- 地域包括支援センターやケアマネジャーとの関係構築
- 利用者の満足度向上による継続利用
- 送迎範囲を工夫し、利用者を確保
2. 加算の適切な算定
例えば、個別機能訓練加算や入浴介助加算、栄養改善加算などを組み合わせることで、1人あたりの単位数が大幅に上がります。人員体制を整えて加算を算定することは収益改善の鍵となります。
3. 人件費管理
人件費率が7割を超えると赤字に転落するケースもあります。職員配置を制度要件ギリギリにするのではなく、**効率的なシフト管理や多能工化(送迎+介護、介護+調理補助など)**でコストを抑える工夫が必要です。
4. 特徴あるサービス提供
- リハビリ特化型デイサービス
- 認知症ケアに強いデイサービス
- 趣味活動・社会参加を重視したデイサービス
など、差別化による利用者確保は収益安定に直結します。
通所介護で赤字になりやすいケース
- 定員に対して稼働率が50~60%程度しか確保できない
- 職員の離職率が高く、人件費や採用コストが膨らむ
- 加算をほとんど算定していない
- 施設維持費や送迎コストが大きすぎる
「利用者が集まれば儲かる」と単純に考えるのは危険で、経営努力がなければ赤字に陥る可能性もあるのが現実です。
通所介護は儲かる?結論
- 安定した需要があり、長期的な収益が見込める事業ではある
- しかし、人件費や制度改定リスクを考慮すると「高収益事業」とは言い切れない
- 成功の鍵は 稼働率・加算算定・人件費管理・差別化戦略 にある
通所介護は「放っておいても儲かる」ビジネスではなく、戦略的に運営して初めて収益が安定する事業だといえます。
まとめ
通所介護は「儲かるのか」と聞かれれば、条件を満たせば安定した収益を得られるが、経営努力が欠かせないというのが正確な答えです。
- 利用者数と稼働率の管理が最重要
- 加算の活用で単位数を最大化
- 人件費を効率化しつつ職員の定着率を高める
- 他施設との差別化で地域に選ばれる存在になる
これらを意識すれば、通所介護は「儲からない事業」ではなく、地域に必要とされながら持続的に利益を出せる事業へと成長していくことが可能です。
